最悪な目覚めだ。
今がいつなのか、何曜日なのか、何時なのか、
まったくわからなかった。
30秒くらい考える。
「えっ…えっ……と、うん?」
と独り言ともつかない声を発しながら。
答えは出た。
あ、普通の平日の朝だわ。
なぜこんなに混乱したかというと、
まるで1時間くらいしか寝てないような眠気の歯切れの悪さがあったからだ。
最近はめったに昼寝をしなくなったが、就職して数年の間、ちょっと昼寝しよと20分くらい寝るつもりで、2時間弱寝てしまうことがよくあった。
その時の目覚めは決まって最悪で、昼寝する前より眠気が悪化しているようであった。
しかも、夜に見る夢より不快感の強い夢を見ることが多かった。
今回の朝の目覚めはまさに気持ちのいい昼寝が叶わなかった、失敗の昼寝からの目覚めと同じ感じであったからだ。
そして、何よりも夢が悪すぎた。
どんな夢かというと、
食洗器に食器をうまい具合に入れようと奮闘するのに、それぞれの食器のベストプレイスが全然きまらない、
という夢である。
もう食洗器の呪縛にかかっているとしか言えない。
最近家を建て、念願のビルトイン食洗器が備わっているキッチンになった。
日本製の食洗器で上からすべて入れるタイプである。
外国製の前開きが夢であったが、値が張るので断念したのだった。
食洗器は実家にはあったが、自分が使うのは生まれて初めてである。
いざ使ってみると、私は食洗器のなかに食器たちをパズルのように入れるのがどうも苦手なようである。
最初のころは入れ方が悪いせいか、乾燥まで終わって食洗器を引き出してみると、
水圧で向きが変わってしまった食器や鍋の中に大量に水が溜まっていて、
結局手洗いをしなければいけなくなるという事態が毎回のように発生した。
それはもうストレスであった。
食洗器は手洗いに比べ手間が格段にかからないのが売りであり、
なんなら水道代もとんとんかむしろ節約になると聞いていた。
なのに、これでは手間も水の使用量も倍に増えているではないか。
食洗器を引き出すたびにどきどきして、2回に1回はがっかりする。
「こんなはずじゃなかったのに!」
と行き場のない憤りさえ感じていた。
最近は食洗器の入れ方動画などで学習し、失敗が減ってきてはいた。
しかし、依然として食器を入れる時にはあーでもない、こーでもないと頭を悩ませながら入れている。
その日々がたたってか、夢にまで出たのである。
もう自分に飽きれる気持ちである。
そんな小さいことにそんな神経使ってるのかよ、と。
食洗器を使いこなせない自分にもうんざりだし、
そんな小さなことで悪夢にうなされる自分にもうんざりだ。
朝はすっきり目覚めたいです、神様。
速く食洗器入れマスターになれますように。