大学時代、交換留学で1年間韓国に留学していたころの話である。
勉強ももちろんしっかりしていたが、オタ活も異文化交流という名目でちょっとだけ一生懸命にしていた。
そのころは、「美男(イケメン)ですね」で有名になったチョン・ヨンファがいるCNBLUEにはまっていた。
あるとき、彼らがスポーツメーカーの広告モデルをやっていたとき、そのブランドの商品を8000円(くらいだったかな?)以上買った人、且つ、先着順でサイン会のチケットがもらえるというイベントがあった。
それまではショッピングモールなどで開催される公開サイン会には行ったことがあったが、自分がサインをもらうということはなかった。
自分はそこまで熱烈なファンじゃないしなと謎に恐縮する気持ちと他のファンにビビる気持ちがあったように思う。
しかし、友達が一緒に買いに行こう!と誘ってくれたので、乗っかることにした。
対象店舗はいくつかあったが、私たちはチケットの割り当てが多そうなデパート内の店舗に行くことにした。
商品購入当日はデパートの開店2時間前くらいについた。
開店までドアの前で待とうということになったが、ここで問題が……
ドアがたくさん!!
どこのドアに並べば店舗まで一番最短距離で到達できるのかまったくわからない。
館内図やいろいろなマップを駆使して調べるも、わからず…
おそらくここかな!というドアに賭けて開店まで待つ。
私たちと同じようにサイン会チケットをゲットしようとするファンらしき人が増えてくる。
緊張が高まる。
そして、ついに開店。
私たちは一目散に店舗を目指す。
怒られそうだが、エスカレーターも走った。
店舗についてすぐにチケットをもらえるわけではない。
自分がほしい商品を選んで8000円以上購入して初めてチケットがもらえるのだ。
正直このブランドのデザインは全体的にあまり好みではなかったが、まあこれなら使えるかなというスニーカーに狙いを定めた。
めちゃめちゃ急ぎながら試着してサイズ確認まで律儀にした。
今思えば、そんな悠長に試着なんかしてないで、適当なサイズでもなんでも買って最悪あとでサイズ交換してもらうとか、より安全な策はあっただろうに。
健気である。
そして、「この靴ください!」とレジに持っていく。
すでに10人くらい並んでいた気がするが、どきどきしながら自分の会計の番を待ち、無事、サイン会チケットを手に入れることができた。
30人分くらいでチケットの配布が終わり、
いやーーーほんと朝から並んで走って超特急で試着した甲斐があったわ~~~~!!
と達成感&安堵感でいっぱいであった。
思いの外、配布枚数が少なかったので、かなり早い段階で「もう終わりで~す、もうありませ~ん」との店員さんたちのアナウンス。
「ええ~~!」みたいな悲鳴ともつかない落胆の声が聞こえた時、胸が痛みもしたが、優越感も抱いた。
そして、サイン会当日までどきどきわくわくしながら、プレゼント買ったり手紙書いたり、何言うか考えたりした。(かわいい)
サイン会当日。
朝イチから始まる語学堂の授業を自主休講して、学校に向かう人の波に逆らって最寄り駅へ。
サイン会の会場は遊園地。
着くとチケット番号順?到着順?だったか着席させられた。
どきどき、どきどき
ついに本人たちが登場。
もう昔のことすぎて何をしゃべっていたかとかどんな流れだったかとか全然思えていないが、周りのファンたちと一緒にキャ~~~とかフゥ~~~とか言って気持ちが高まったような気がする。
そして、サイン会開始。
前の方の人が次々と終えていく。
どのくらい時間があって、どんなやり取りができるのか、前の人たちを見てイメトレする。
どうやらサイン会チケットの裏面に自分の名前を書いて、そのチケットを渡してサイン色紙とともにメンバー間で流されていくようである。
サインを書いてもらうだけでなく握手と20秒くらいの会話ができるようだ。
メンバーは4人なのでそれぞれ何を言おうか何度も頭の中で練習する。
まずはマンネのミニョク。
あえて言うならばその時の私の推し。
同い年であるということと、顔が一番地味で親しみがわいた(←)のと、努力家なのにちょっと自信なさげなところがあるのとで、応援したい人であった。
彼とは同い年という共通項があったので、そこまで緊張せず話し、サインをもらい、握手をしてもらってバイバイ。
緊張せずとは書いたもののさすがに焦っていたらしく、事前に準備したプレゼントを渡しそびれそうになり、バタバタしながら「あ、これ!!」という感じで渡したところ、「これジョンシンって書いてあるよ~」とミニョクに言われ、「あ~間違えた!!すいません」というようなやり取りまでして、ちょっと迷惑をかけた。
次に今芸能界から追放されてしまったジョンヒョン。
彼はクールというか塩対応なので、緊張してしゃべろうと思っていた内容も忘れ、ただただサインしてくれているのを見守る感じになってしまった気がした。
次がヨンファ。
CNBLUEのリーダーでメインボーカル。
ビジュアル担当でもある。一番背は低いが顔面が強い。
ただ、その当時CNBLUEの中での私の一番の推しではなかったので完全に油断していた。
彼を目の前にした瞬間、、、
時が止まった。
「息を吞む」という慣用句があるが、まさにそんな感じであった。
美男ですねに出ているだけあって、本当にイケメンだった。
圧倒された。
対面した時の印象はただただ
「ぅぅううわっっ、イッケメ―――――ン!!!!」
ドラマ見ましたとかなんとか、話す内容はたくさん用意していたのに全部吹っ飛んで頭が真っ白。
本能的に「このイケメンを目に焼き付けなければ!」と思ったらしく、しゃべるのを放棄してヨンファの顔を凝視することに全身全霊を注ぐことにしたのかもしれない。
私の脳が。
なんというか、顔面から光?当然物理的な「光」ではないのだが、「ま、まぶしいっ」という感じで、とにかく何か光線を放っていた。
その時の光景は私のポンコツ脳のせいですでにおぼろげであるが、あの衝撃は忘れられない。
最後にジョンシン。
充分にイケメンで、感動したがヨンファの余韻で多分ろくにしゃべれなかった。
このサイン会の前にも歌番組の事前録画の現場に数回行っていたので生で見たことはあったが、やはり至近距離で見るとイケメンさが増すな、と思ったことは覚えている。
ということで、私の人生初サイン会。(今のところ最初で最後)
イケメンは本当にイケメンで、
至近距離で会うとバチクソイケメンである(←)ということが分かった経験となりました。
そして、イケメンの前(そのレポを書くときも)では顔面の威力により、思考力と語彙力が赤ちゃんになるということも身をもって知ったのでした。
そろそろイケメンを生で拝みたいな。
コロナでファンミーティングにも3年くらい行けていない。
最近推している韓国の俳優さんたちが何人か日本にファンミーティングで来ていたが、ファン層が若すぎて+ファンクラブに入るまでの情熱はなくて、行けなかった。
しかし、自分の経験を持ってしてわかっている通り、イケメンに会うことは活力になり、生きる目標(さすがにスモールステップくらい)になりえる。
心と体が潤う気さえする。
今年は1回くらい誰かのファンミに行けるといいな。若干意識低い。
少々退屈な日常にいろどりを。